リノベーションは、時に無限の可能性を見せてくれることがある。
もはや別の部屋なのではないかと疑うほど、リノベーションの力を最大限に引き出したお部屋を紹介します。
和室から洋室へ
一人暮らし用賃貸リノベーションの定番といってもいい。
和室を敬遠する人が多いのは時代の流れであり、仕方のないことだ。
だがこの建物は築年数が古い為、畳をフローリングに張り替えたところで、溢れ出る和室感を拭うことができない。
微妙な高さの窓、梁、THE押入れ。
前途多難である。
沢山のリノベーション物件をインプット
答えが解らない時は、答えを見ろ。「先人の教え」は偉大である。
しかし洋室へのリノベーション実例は以外と和室感が残っているものが多い。
やはり大きな工事になるとそれなりに予算もかかるものであり、最低限に収めたいのも事実。
後回しになってしまいがちな梁、押入れ、窓枠、天井。
このお部屋を徹底的に洋室へ近づけるために、施工会社へ発注。
古い付き合いの施工会社なので、ニューズボックスの意図を読み、提案までしてくれるいたれりつくせりぶり。
もちろん、基礎がむき出しになるほど1からやり直し。
施工中
施工中は何度かお邪魔したが、みるみるうちに変わっていく和室がまるで魔法のようだった。
そして冒頭の部屋へ戻る。 窓の高さのみ和室だった名残があるが、その他は見事なまでの洋室。この部屋はフルリノベーションが決まっていたため、全部引っぺがしたが、梁と巾木を変えるだけでもだいぶ洋室に近づくのではないだろうか。
水回りリフォームの多難
昔懐かしい手回しタイプのお風呂場。
凍えるような寒い冬、火種をつけるための電源を回すカチカチ音と、裸の自分の歯が合わさるガチガチ音を絶妙なハーモニーで風呂場に響かせていたのは遠い昔の話にするべきだ。
時代の流れに沿ってユニットバスへ変更する予定である。
水漏れも直せて一石二鳥、新品になったお風呂で入居者は快適に過ごせる特典つき。
さようならタイル、さようなら、石の床。
面影ゼロ。
窓はなくなってしまったけれど、手回しの代わりに浴室乾燥機をつければ、はやりの浴室のできあがり。
浴室乾燥機は必要ないのでは…と言われる人も多いが、
昔と違って洗濯物を外に干す、という習慣が減ってきている。
特に都内の一人暮らし用のアパート・マンションであれば、犯罪を抑制するためにも必須なものになりつつあるのではないだろうか。
意外かもしれないが、洗濯物ですべてわかってしまうらしい。
生活の基盤、キッチン
備え付けの給湯器、大きな木枠の窓、丸見えの換気扇、この角度からは見えないが、玄関側からの目隠しにはモミジ柄のすりガラス。
昭和の台所フルセットが勢ぞろい。
水場のリノベーションというのはお金がかかるため後回しになりがちだが、いつか必ずその時は来る。
ここから続く和室があのような変貌を遂げたのであれば、こちらの部屋を少しだけ改修工事、というわけにもいかないだろう。
昭和と令和、調和のとれた形ならよいが、このままでは洋室に入った瞬間に目が眩んでしまうに違いない。
元々ガスコンロ2口設置可能だったため、リノベーションにより設備の質を落とすことはできないし、目隠しのもみじは最重要案件だ。
痛んだ床も変えて、和室を助長しているふすまを取り換えなくては。
やることは山積みだが、ここまできたら生まれ変わった部屋をみたい。
その思いだけで見積もりにゴーサインをだした。
最終的には、すべて変えた。
キッチンは2口コンロ付のシステムキッチン、床は隣の洋室からの続きで張り替え。
窓枠も取り換え、玄関の目隠しは壁になり、ふすまは引き戸になった。
もともと和室には1.5帖のありあまる押し入れがあったのだが、それもクローゼットに作り替えてある。
写真にはないが、トイレはウォシュレット、独立洗面台も完備だ。
リノベーションにしては豪華にしすぎた感は否めないが、これが今時の新築マンションの標準装備だろう。
それでも入居者が見つからないと泣いているオーナーもいるのだというから、東京の賃貸の今後はとても心配である。
リノベーションという選択肢
最近のお部屋はとにかく白い。
巾木も窓枠も白、アクセントクロスはあったとしても、白く明るく、というのが流行りなのであろう。
今回ご紹介した部屋は典型的なその「白い」部屋だが、和室からのリノベーションには相性がよいのではないかと感じた。
もちろんもっと和室を残して巾木を暗い色にして照明に凝るなど、和モダンをテーマにすればコストダウンを図れるし、やりかたはそれぞれだ。
だが、「流行り」や「流れ」を無視するのは得策ではない。
どう新しいものを取り入れて、今の物件を大事にするか。
どんどん増える新築物件に負けないためにも、リノベーションが今後、築年数の経った物件を持つオーナーの課題になってくるだろう。
ニューズボックスではリノベーションに関する相談も承っております。
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